肌・老け見え

メンズの日焼け止めはどう選ぶ?顔に使う前に確かめたいSPF・PA・耐水性

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顔用の日焼け止めを手に取り鏡の前で確認する男性

日焼け止めくらい塗ったほうがいい。そう言われても、ドラッグストアの棚には「SPF50+」「PA++++」「ウォータープルーフ」と似たような表示の商品が並び、どれを手に取ればいいのか分かりにくいものです。白く浮かないか、昼にはテカらないか、ひげを剃った直後でも使えるか。30〜40代の男性が気にするのは、むしろそういう点かもしれません。

この記事では、メンズの日焼け止めの選び方を、商品のおすすめではなく、パッケージの表示をどう読むか、どのくらい塗ればよいか、買う前に何を確かめるかを整理します。根拠には、環境省の「紫外線環境保健マニュアル」と、SPF・PAなどの表示について自主基準を定めている業界団体、日本化粧品工業会の公開資料を使っています。

日焼け止めの表示で、最初に見るのはSPFとPA

日焼け止めのパッケージにある「SPF」と「PA」は、防げる紫外線の種類が違います。

  • SPF:主にUV-B(紫外線B波)を防ぐ効果の目安です。UV-Bは、日に当たって数時間後に肌が赤くなる日焼けの主な原因になります。数値が大きいほど、この赤くなる日焼けを防ぐ効果が高いことを示します。
  • PA:UV-A(紫外線A波)を防ぐ効果の目安です。「PA+」から「PA++++」までの4段階で、+が多いほど効果が高いことを示します。

日本化粧品工業会の解説によれば、UV-Aは雲や窓ガラスも通過して肌の奥まで届き、シワやたるみなど肌の光老化を促す原因になります。UV-Bは肌に赤い炎症を起こし、日焼けによるシミ・ソバカスの原因をつくります。顔に使うものを選ぶなら、SPFとPAを両方見ておきたいところです。

SPFやPAは、高いほどよい?

数値が高いほど防ぐ効果は高くなります。ただ、いつでも一番高いものを選ぶ必要があるかというと、公的な資料の考え方は少し違います。

環境省のマニュアルは、日焼け止めは「いつ、何をする時に使用するか」で選ぶとしています。洗濯物を干したり買い物をしたりする程度なら、それほど数値の高くないもので十分。紫外線の強い季節に炎天下でスポーツやハイキングをするなど長時間外にいる場合は、高い効果を持つもの。海やプールに入るなら耐水性の高いもの、という整理です。日本化粧品工業会も、通勤や買い物と、炎天下の海辺や雪山とでは浴びる紫外線の量や強さが違うため、シーンに合わせて選ぶよう案内しています。

「SPF50+」という表示についても補足しておきます。日本化粧品工業会によると、SPFが50程度あれば紫外線の強い場所でもUV-Bによる炎症を防止できるという考えから、測定値が50より有意に高い場合は数字を増やさずに「SPF50+」と表示するルールになっています。

なお、SPF30とSPF50+を毎日の生活で比べて、どちらがどれだけ優れているかを示した資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。数値が高いほど肌への負担が大きいことを示す資料も、今回確認した範囲では見つかりませんでした。自分の過ごし方に合わせて選ぶことが出発点になります。

汗や水に強いものは、どう見分ける?

水への強さを見るなら、パッケージの「UV耐水性★」の表示が手がかりになります。

日本化粧品工業会の基準では、水に触れたあとにSPFがどれだけ保たれるかを国際規格の方法で測り、一定の基準を満たした製品に「UV耐水性★」または「UV耐水性★★」と表示します。★の数が多いほど耐水性が高いことを示します。★での表示は日本独自のルールです。

ここで注意したいのは、この表示が汗への強さを示すものではないことです。同会は、UV耐水性はあくまで海水浴や沢遊びなど、外から付く水に対する強さを示すもので、汗に対する強さを示すものではないとしています。同会によれば、汗に強いかどうかを共通の基準で試す方法や表示は、国際的にもまだありません。「汗に強い」といった表記は、各メーカーが自社の判断と責任で書いているものです。

同会は、同じSPF・PAの製品なら、耐水性の表示があってもなくても紫外線を防ぐ効果そのものは同じだとしています。効果が続く時間は使い方によって変わるため一律には示せないとして、表示の有無にかかわらず2〜3時間を目安に塗り直すよう案内しています。

顔用・体用、男性用・女性用と書かれていたら何を確認する?

日焼け止めには「顔用」「からだ用」「メンズ」といった表示があります。環境省のマニュアルも、製品の種類として「顔用」「からだ用」を挙げています。

ただ、顔用と体用、男性用と女性用で、制度として何が違うのかを示した資料は、今回確認できませんでした。顔用の方が刺激が少ない、男性用の方が皮脂や汗に強い、といった違いを前提にすることはできません。

表示を見かけたら、次の点を自分で確かめるのが確実です。

  • SPF・PAの数値:「メンズ」「顔用」の表示より、まずこの数値を見る
  • UV耐水性★の有無:水に入る予定があるかどうかで判断する
  • 使用部位と使用上の注意:顔に使えると書かれているか、目の周りなどの注意書きがあるか
  • 成分表示:環境省のマニュアルによれば、日焼け止めに含まれる成分はすべて容器などに表示されている

白浮き・ベタつき・ひげ剃り後は、どう考える?

白浮き、ベタつき、テカリ、ひげ剃り後のしみる感じ。どれも顔に毎日使ううえでは気になる点ですが、男性の肌に合わせて「このタイプならこの肌向き」と言える研究は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。そのため、ここでは肌質の分類はせず、使い続けられるかを自分で確かめる項目として整理します。

参考になる情報が一つだけあります。日焼け止めには、紫外線を吸収する「紫外線吸収剤」と、紫外線を散乱させる「紫外線散乱剤」が組み合わせて使われています。環境省のマニュアルによれば、吸収剤は塗ったときに白く見えにくい一方、まれにかぶれる人がいる。散乱剤は、吸収剤に比べて塗ったときに白く見えやすいとされています。どちらが肌に良い・悪いという話ではなく、見た目の違いの参考として知っておくと選びやすくなります。

買う前、または試しに使うときは、次の点を確かめてみてください。

  • 塗ったあと、白浮きが鏡で見て気にならないか
  • 昼過ぎに、ベタつきやテカリが仕事中に気にならないか
  • 製品の使用上の注意を確認し、使用時に刺激を感じないか
  • 夜、いつもの洗顔料で落とせるか、専用のクレンジングが必要か(製品の説明を確認する)

ひげ剃り後の肌荒れが続く場合は、日焼け止めの選び方とは別に、剃り方や道具も見直す余地があります。

どのくらい塗る?いつ塗り直す?

日焼け止めの効果は、塗る量に左右されます。

SPFの数値は、肌1cm²あたり2mgという量を塗った状態で測られています。環境省のマニュアルに、この測定方法が図で紹介されています。

塗る量が少ないとどうなるかについては、健康な成人20人の背中で、同じ日焼け止めを量を変えて塗り比べた研究があります。この研究では、規定の半分の量(1mg/cm²)を塗った場合、実際のSPFは表示値の平方根ほどまで下がりました。SPF4という低い数値の製品を使った小さな研究なので、そのまま顔や高SPFの製品に当てはめることはできません。それでも、表示どおりの効果を期待するなら量が大切だということは押さえておきたい点です。

環境省のマニュアルが示す顔の目安は、次のとおりです。

  • クリーム状のものはパール粒1個分、液状のものは1円硬貨1個分を手のひらに取る
  • 額、鼻の上、両頬、あごに分けて置き、そこからまんべんなく伸ばす
  • そのあと、もう一度同じ量を重ねて塗る
  • 鼻の頭など日が当たりやすいところは念入りに

塗り直しについては、一度塗った日焼け止めも、手や衣類に触れたり、汗をかいてタオルで拭いたりすると落ちてしまいます。同じマニュアルは、落ちたと思ったらすぐ重ね塗りするか、そうでなければ2〜3時間おきに塗り直すことを勧めています。日本化粧品工業会も、ウォータープルーフの製品でも衣服や動作による摩擦で落ちることがあるとしています。

毎日使うべき?季節や屋内はどう考える?

「毎日塗るべきか」は、人によって答えが変わります。浴びる紫外線の量が、季節、時間帯、場所、過ごし方で大きく変わるためです。

環境省のマニュアルによると、紫外線は日本では6〜8月に最も強くなります。ただ、ほかの季節や屋内ならゼロというわけではありません。

  • 薄い雲では、UV-Bの80〜90%が通り抜ける
  • 日陰でも、日向の50%ほどの紫外線がある
  • 年間で見ると、屋内で働く人も屋外で働く人の10〜20%の紫外線を浴びている

紫外線を減らす方法は、日焼け止めだけではありません。日本化粧品工業会は、つばの広い帽子、日傘、長袖、サングラスなど、できる限り紫外線を浴びない工夫と組み合わせるよう勧めています。ただし環境省のマニュアルによれば、帽子や日傘は空気中で散乱している紫外線までは防げません。

日焼け止めを日常的に使うことと肌の老化については、オーストラリアで行われたランダム化比較試験があります。55歳未満の成人903人を、日焼け止めを毎日使う群と、使うかどうかを本人に任せる群に分けて4.5年追ったところ、毎日使う群のほうが皮膚の老化の進み方が24%少なかったと報告されています。

ただし、この研究はオーストラリア・ナンボー(南緯26度)で行われ、日本人男性だけを調べたものではありません。この結果から、日本の30〜40代男性が全員毎日使うべきだと言えるわけではありません。外にいる時間が長い日や、紫外線の強い季節に使う。普段から屋外で過ごす時間が多いなら日常的に使う。自分の生活に合わせて考えるのが現実的です。

日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、長年紫外線を浴び続けることで起こるシミやしわなどの変化を「光老化」と呼び、適切な紫外線対策で防ぐことができるとしています。日焼け止めはその対策の一つで、帽子や日陰の利用などとあわせて考えるものです。顔のシミそのものが気になる場合は、40代男性の顔のシミ、市販品を選ぶ前に確かめたいことで、市販品の効能の違いや皮膚科に相談したい目安をまとめています。

買う前に確認したい項目

ここまでの内容をもとに、PMC Lab編集部が買う前に確認したい項目を整理しました。国や業界団体が定めたチェックリストではありません。

確認すること見るところ
1. 使う場面通勤・日常か、屋外で長時間過ごすか、水に入るか
2. SPF・PAの数値使う場面に合った数値か
3. UV耐水性★の有無水に入る予定があるか(汗への強さは示さない)
4. 顔に使えるか使用部位と使用上の注意
5. 塗る量説明書の使用量を守れる量と価格か
6. 使用感白浮き・ベタつきが気にならないか。使用上の注意を確認し、使用時に刺激を感じないか
7. 落とし方洗顔料で落ちるか、専用のクレンジングが必要か

SPF・PAの高さだけでなく、必要な量を使えて、必要に応じて塗り直せるかも確認しておきたいところです。

よくある質問

SPF50+を選んでおけば安心ですか?

SPFの数値が高いほど、UV-Bによる日焼けを防ぐ効果は高くなります。ただし、塗る量が少なかったり、汗や摩擦で落ちたりすれば表示どおりの効果は期待できません。環境省のマニュアルは、日常の買い物程度ならそれほど数値の高くないもので十分とし、使う場面で選ぶよう勧めています。

ウォータープルーフなら塗り直さなくていいですか?

いいえ。日本化粧品工業会は、耐水性の表示があっても効果が続く時間は使い方によって変わるため一律には示せないとし、2〜3時間を目安に塗り直すよう案内しています。衣服や動作による摩擦でも落ちることがあります。

「UV耐水性★★」なら汗をかいても落ちにくいですか?

UV耐水性の表示は、水に触れたあとの強さを示すもので、汗に対する強さを示すものではありません。日本化粧品工業会によれば、汗への強さを共通に比べられる試験法や表示は、今のところ国際的にもありません。

男性用の日焼け止めでないとだめですか?

男性用と女性用で、制度として何が違うのかを示した資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。表示の「メンズ」より、SPF・PA、耐水性、使用感を自分で確かめるほうが確実です。

冬や雨の日も塗ったほうがいいですか?

環境省のマニュアルによれば、紫外線は日本では6〜8月に最も強くなりますが、薄い雲ではUV-Bの80〜90%が通り抜け、新雪は紫外線の80%を反射します。冬にスキーなどで雪山に行く場合は注意が必要です。日常で塗るかどうかは、外にいる時間の長さで考えてみてください。

まとめ

メンズの日焼け止めを選ぶときに押さえたい点は、次のとおりです。

  • SPFはUV-B、PAはUV-Aを防ぐ効果の目安。顔に使うなら両方を見る
  • 数値は高いほど効果が高いが、使う場面に合わせて選ぶのが公的な資料の考え方
  • UV耐水性★は水への強さで、汗への強さを示すものではない
  • 顔用・体用、男性用・女性用の違いを前提にせず、表示と使用感を自分で確かめる
  • 表示どおりの効果には十分な量が必要。2〜3時間を目安に塗り直す
  • 毎日使うかは、季節や外にいる時間で考える。帽子や日陰とも組み合わせる

出典

環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」 PDF

日本化粧品工業会「気になる紫外線用語CHECK!」 公式ページ

日本化粧品工業会「UV耐水性の表示に関するQ&A」 公式ページ

日本化粧品工業会「紫外線防止の基本」 公式ページ

日本化粧品工業会「紫外線の肌への影響」 公式ページ

Faurschou A, Wulf HC. The relation between sun protection factor and amount of suncreen applied in vivo. Br J Dermatol. 2007;156(4):716-719. PubMed

Hughes MC, Williams GM, Baker P, Green AC. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-790. PubMed

日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「光老化は普通の老化とどう違うのですか?」 公式ページ

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