市販の発毛剤は、第1類医薬品に分類されています。
第1類医薬品は、薬剤師が販売し、薬剤師による情報提供が行われる区分です。厚生労働省と医薬品医療機器総合機構の資料は、インターネット販売の場合も同様で、販売のときには年齢や症状、持病などを確認するとしています。
これとは別に、製品には添付文書が付いています。使用前に確認する事項や用法が書かれているのは、こちらです。
この記事は、使っていいかどうかを判定するページではありません。答えるのは2つです。添付文書のどこに何が書かれているか。そして、「してはいけないこと」と「相談すること」は何が違うのか。
このページで扱うこと、扱わないこと
扱うのは、市販の発毛剤(第1類医薬品)の添付文書です。何が書かれていて、どこを見るのかを整理します。
ただし、この記事で具体的に確認する添付文書は、市販されているミノキシジル外用剤のうち1製品のものです。製品によって記載が異なる場合があるため、実際に検討する際は手元の製品の添付文書をご確認ください。以下、その製品の記載を指すときは「今回参照した添付文書」と書きます。
扱わないのは、あなたに使えるかどうかの判定です。添付文書に挙げられている項目に自分が当てはまるのか、当てはまったときにどうなるのかは、このページでは決まりません。効果の大きさや、他の手段との優劣も扱いません。
育毛剤、市販の発毛剤、医師の処方による治療が制度上どう違うかは、育毛剤・市販の発毛剤・処方薬の違いで整理しています。
買うときに、誰が関わり、何を確認されるか
薬剤師が販売し、情報提供が行われる
厚生労働省と医薬品医療機器総合機構の資料は、第1類医薬品について、薬剤師が販売し、薬剤師による情報提供が行われると説明しています。
薬剤師による情報提供が行われる、というのが、第1類医薬品の売られ方です。
インターネットで買う場合も、確認される事項がある
同じ資料は、インターネット販売の場合も同様だとしています。販売のときには、年齢、症状、副作用歴、持病、医療機関の受診の有無などを確認する、と書かれています。
インターネット販売でも、販売時に確認される事項がある点は同じです。
添付文書は、どこに何が書かれているか
添付文書には、見る場所があります。ここからは、今回参照した添付文書の記載を3つに分けて見ていきます。
効能・効果 — 何に対する製品かが限定されている
今回参照した添付文書は、効能・効果を「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」と書いています。あわせて「本剤は壮年性脱毛症でのみ有効です」と明記されています。
何に対する製品なのかが、文書の側で限定されている。この一文があるために、あとに出てくる「してはいけないこと」の中身も決まってきます。
用法・用量 — 誰が、どこに、どれだけ使うか
今回参照した添付文書の用法は、成人男性が1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮に塗布するというものです。
対象、回数、量が、文書の側で決まっています。
「してはいけないこと」と「相談すること」
今回参照した添付文書の「使用上の注意」は、ひとまとまりではありません。性質の違う2つの区分に分かれています。ここを取り違えると、読み方が逆になります。

「してはいけないこと」に挙げられているもの
今回参照した添付文書は「してはいけないこと」として、次を挙げています。
- 本剤の成分でアレルギー症状を起こしたことのある人
- 女性
- 未成年者(20歳未満)
- 壮年性脱毛症以外の脱毛症の人、原因不明の脱毛症の人
- 脱毛が急激、または斑状に抜けている人
後半の2つは、抜け方そのものについての記載です。
「相談すること」に挙げられているもの
同じ添付文書が「相談すること」として挙げているのは、次です。
- 薬や化粧品でアレルギー症状を起こしたことのある人
- 高血圧の人、低血圧の人
- 心臓または腎臓に障害のある人
- むくみのある人
- 家族に壮年性脱毛症がない人
- 甲状腺機能障害の診断を受けた人
- 高齢者(65歳以上)
2つは性質が違う
並べると似て見えますが、添付文書の中での扱いが違います。
「してはいけないこと」は、添付文書で確認する項目です。書かれている内容に照らして読みます。
「相談すること」は、添付文書を読み、医師または薬剤師に相談する項目です。相談することになっている、というのが文書の記載であって、使えないと書かれているわけではありません。
「相談すること」に自分が当てはまった=使ってはいけない、ではありません。ここが最も取り違えやすいところです。
当てはまるかどうかは、このページでは判定しません
上の2つの区分に自分が入るかどうかを、このページでは判定しません。
判定に必要な情報をこのページが持っていないからです。年齢も、持病も、薬の使用歴も、抜け方も、読んでいる人それぞれのものです。そして第1類医薬品は、販売のときに年齢・症状・副作用歴・持病・医療機関の受診の有無などを確認するとされています。確認する場が、もともと用意されています。
このページの役割は、その場に行く前に、添付文書に何が書かれているかを読めるようにすることです。
使い始めたあとについて書かれていること
今回参照した添付文書には、使い始めたあとのことも書かれています。
「少なくとも4ヵ月間」使用すること。そして「6ヵ月間使用して改善が認められない場合は、使用を中止し、医師又は薬剤師に相談」すること。
この2つは、効果がいつ出るかを予告したものではありません。どれだけ続けることになっているかと、変化がなかったときに次に何をすることになっているかが書かれている、と読むのが正確です。6ヵ月の記載が指しているのは「もう少し続ける」ではなく、「中止して相談する」です。
自分で読める範囲と、確認してから決まる範囲
ここまでを2つに分けます。
自分で読める範囲。今回参照した添付文書に何が書かれているか。効能・効果がどう限定されているか。「してはいけないこと」「相談すること」に何が挙げられているか。用法と、4ヵ月・6ヵ月の記載。これらは製品を手にした時点で読めます。
確認してから決まる範囲。自分が、挙げられている項目に当てはまるのかどうか。当てはまったときにどうするのか。第1類医薬品は薬剤師が販売し、薬剤師による情報提供が行われます。販売のときには、年齢、症状、副作用歴、持病、医療機関の受診の有無などを確認するとされています。
このページが示せるのは、ここまでです。
まとめ
- 市販の発毛剤は第1類医薬品で、薬剤師が販売し、薬剤師による情報提供が行われます。インターネット販売の場合も、販売時に年齢・症状・副作用歴・持病・医療機関の受診の有無などを確認するとされています
- 今回参照した添付文書では、効能・効果が「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」とされ、「本剤は壮年性脱毛症でのみ有効です」と明記されています
- 「使用上の注意」は「してはいけないこと」と「相談すること」の2つに分かれ、性質が違います。「相談すること」は、使ってはいけないという意味ではありません
- 今回参照した添付文書の用法は、成人男性が1日2回、1回1mL。「少なくとも4ヵ月間」使用し、「6ヵ月間使用して改善が認められない場合は、使用を中止し、医師又は薬剤師に相談」と記載されています
- 記載は製品によって異なる場合があります。実際に検討する際は、手元の製品の添付文書をご確認ください
- このページは、あなたが使えるかどうかを判定するものではありません。添付文書に何が書かれているかを読めるようにするところまでです
参考にした資料
- リアップX5 添付文書(大正製薬株式会社)/医薬品医療機器総合機構 一般用医薬品 添付文書情報
- 厚生労働省/医薬品医療機器総合機構「一般用医薬品:適切なルールの下、全てネット販売可能」