清潔感

歯のホワイトニングは市販と歯医者で何が違う?制度上の扱いと、選ぶ前に確かめたいこと

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歯ブラシと歯みがき剤を手に鏡を見る40代男性

鏡や写真で、歯の黄ばみが気になることがあります。ドラッグストアには「ホワイトニング」と書かれた歯みがきが並び、歯科医院やセルフホワイトニングの広告も目に入ります。同じ言葉でも、中身は制度の上で別のものです。

この記事では、市販の歯みがきと歯科医院のホワイトニングが、それぞれどんな位置づけなのかを、厚生労働省の通知や学会の資料をもとに整理します。どれが優れているかを決める記事ではありません。白さの程度や持ちを比べた資料は今回確認できなかったため、その比較もしていません。

清潔感の全体像は、40代の清潔感チェックにまとめています。

市販と歯医者のホワイトニングは、何が違う?

いちばん大きな違いは、誰が判断し、何を使うかです。

市販の歯みがきは、化粧品または医薬部外品として売られています。厚生労働省の通知では、使用時にブラッシングを行う歯みがきの効能として「歯を白くする」「歯のやにを取る」が認められています。

歯科医院のホワイトニングは、日本歯科審美学会の指針では、歯科医師、または歯科医師の指導のもとで歯科衛生士が行う歯科医療とされています。過酸化尿素や過酸化水素を使って歯を漂白する方法で、厚生労働省のサイトのコラムでは、自宅で行う方法も含めて歯科医師の処方が必要と説明されています。

市販の歯みがき歯科医院のホワイトニング
制度上の位置づけ化粧品・医薬部外品歯科医療
認められている内容「歯を白くする」「歯のやにを取る」など(ブラッシングを行うもの)変色した歯の漂白など
判断する人自分歯科医師
事前の確認製品の区分・効能表示・使用上の注意を確認むし歯・歯周病などの診査

「歯を白くする」には、着色を落とすことと漂白がある

歯の黄ばみには、表面についた着色と、歯そのものの色があります。

紅茶やコーヒーなどによる着色は、歯科医院のクリーニングで落ちます。厚生労働省のサイトのコラムでは、クリーニングは歯本来の色に戻すもので、それ以上白くはならないと説明されています。

これに対して歯科医院のホワイトニングは、薬剤で歯を漂白して、歯本来の色より明るくすることを目的にしています。日本歯科審美学会の指針では、加齢による黄ばみなどが対象の例に挙げられています。一方で、金属イオンによる変色などは対象外です。

市販の歯みがきに認められている効能

市販の歯みがきは、化粧品か医薬部外品(薬用歯みがき)のどちらかです。パッケージの表示で区分を確かめられます。

化粧品の歯みがきについては、厚生労働省の「化粧品の効能の範囲」に、使用時にブラッシングを行う歯みがき類の効能として「歯を白くする」「歯のやにを取る」があります。同じ通知には「歯垢を除去する」「口中を浄化する」も含まれています。

薬用歯みがき(医薬部外品)については、厚生労働省の承認基準で、ブラッシングを行うものの効能に「歯を白くする」「タバコのやに除去」が含まれています。

どちらも、歯みがきとして使ったときの効能です。ホワイトニング用の歯みがきと通常の歯みがきを比べた研究をまとめた海外の系統的レビューでは、ホワイトニング用の方が歯の表面の着色を減らしたと報告されています。対象は成人で、6週間以上使った試験です。市販品と歯科医院のホワイトニングを比べた研究ではありません。

歯科医院のホワイトニングで使うもの

歯科医院のホワイトニングでは、過酸化水素や過酸化尿素を含む薬剤を使います。

厚生労働省は2023年に「歯科用漂白材等審査ガイドライン」を示し、歯の漂白に使う医療機器を審査するときの基準を定めています。このガイドラインでは、漂白材を使う人によって2つに分けています。

  • 歯科医師使用漂白材:歯科医師、または歯科医師の管理下で歯科衛生士が患者に使うもの
  • 患者使用漂白材:歯科医師の管理下で、患者が自分で使うもの

自宅で使う患者使用漂白材も、歯科医師の管理下で使うものです。家庭で使うことが前提になるため、漂白成分の濃度は患者が調整できない単一のものとし、十分に安全な濃度にするよう求めています。処置時間や使用回数も、安全面に配慮して決めることになっています。歯科医師使用漂白材の濃度や処置時間は、歯の硬さへの影響、漂白性、安全性などをもとに設定します。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している添付文書のうち今回確認したものでは、歯科医院で使うホワイトニング用の製品は、ホーム用・オフィス用とも「高度管理医療機器」とされていました。これらの添付文書には、知覚過敏のある歯やむし歯のある歯には使わないこと、歯ぐきに薬剤がつかないよう保護することなどが書かれています。

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違い

歯科医院のホワイトニングには、主に2つの方法があります。

オフィスホワイトニングは、歯科医院で、歯科医師や歯科衛生士の管理のもとで行います。ホームホワイトニングより濃度の高い薬剤を使い、通院が必要です。

ホームホワイトニングは、歯科医院で歯型をとって作ったトレーに薬剤を入れ、自宅で装着します。厚生労働省のサイトのコラムでは、1日に約1〜1.5時間の装着を約1〜2週間続ける方法が紹介されています。自宅で行いますが、歯科医師の処方と使い方の指導を受けることが前提です。

両方を組み合わせる方法もあります。どちらを検討するかは、歯の状態や通院の条件などを確認しながら、歯科医師と相談することになります。

始める前に、歯の状態で確かめたいこと

歯科医院のホワイトニングでは、始める前に歯の状態を確認します。資料に書かれている主な点は次のとおりです。

  • むし歯・歯周病:事前に治療することが勧められています。歯周病は口臭とも関わります(男性の口臭の原因)
  • 詰め物・被せ物:ホワイトニングでは白くなりません。白くなった歯と色が合わなくなることがあります
  • 知覚過敏:処置中や処置後に、歯がしみることがあります。症状が出たら中止し、歯科医師の指示に従います
  • 歯ぐき:薬剤が歯ぐきにつくと、痛みや白くなることがあります
  • 後戻り:日本歯科審美学会の指針では、終了後しばらくは多少色が戻り、その後は比較的安定するとされています

このほか、妊娠中・授乳中は使わないとされています。

市販・歯科・セルフホワイトニングを分けて考える

ここでの3つの分け方は、この記事で整理するためのもので、公的な分類ではありません。

  • 市販の歯みがき:化粧品・医薬部外品。歯みがきとして使い、表示された効能の範囲で使うもの
  • 歯科医院のホワイトニング:歯科医師の診査のうえで行う歯科医療。オフィスとホームがある
  • セルフホワイトニング:店舗などで利用者自身が行うサービス。国民生活センターの相談事例には、自分で薬剤を歯に塗り、機械で照射する形式が紹介されています

セルフホワイトニングについて、国民生活センターは2024年に、契約トラブルの相談が増えていると注意を呼びかけています。こうした「セルフエステ」は一般にクーリング・オフができないため、契約期間や違約金の有無を事前に確かめるよう案内しています。使われる薬剤の成分や効果については、今回確認した公的資料では見つかりませんでした。

選ぶ前に確認したい5つのこと

  1. 気になっているのは着色か、歯そのものの色か:自分では見分けにくいため、迷ったら歯科医院で相談する
  2. 市販品の区分と効能表示:化粧品か医薬部外品か、表示された効能は何か
  3. むし歯・歯周病・知覚過敏がないか:歯科医院のホワイトニングでは事前に確認される
  4. 詰め物・被せ物が前歯にあるか:ホワイトニングでは白くならない
  5. セルフホワイトニングを使う場合の契約内容:契約期間、違約金、回数券の扱い

よくある質問

市販のホワイトニング歯みがきで、歯は白くなりますか?

化粧品の歯みがきには「歯を白くする」「歯のやにを取る」、薬用歯みがきには「歯を白くする」「タバコのやに除去」の効能が認められています。いずれもブラッシングで使ったときの効能です。どの程度白くなるかを歯科医院のホワイトニングと比べた資料は、今回確認できませんでした。

歯のクリーニングとホワイトニングは同じですか?

別のものです。クリーニングは着色を落として歯本来の色に戻すもので、それ以上白くはならないと厚生労働省のサイトのコラムで説明されています。ホワイトニングは薬剤で歯を漂白する方法です。歯科医院では、ホワイトニングの前にクリーニングを行うこともあります。

詰め物や被せ物も白くなりますか?

白くなりません。日本歯科審美学会の指針では、ホワイトニングのあとに詰め物や被せ物の色が合わなくなることがあると説明されています。前歯に詰め物がある場合は、事前に歯科医師に相談しておくと安心です。

セルフホワイトニングと歯科医院のホワイトニングは同じですか?

この記事で確認した資料では、歯科医院のホワイトニングは歯科医師の診査のうえで行う歯科医療とされています。セルフホワイトニングは、店舗などで利用者自身が行うサービスです。国民生活センターの相談事例には、自分で薬剤を歯に塗り、機械で照射する形式が紹介されています。使われる薬剤の成分や効果についての公的な資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。利用する場合は、契約内容を確かめてから申し込むよう国民生活センターが呼びかけています。

まとめ

市販の歯みがきと歯科医院のホワイトニングは、制度の上で別のものです。市販の歯みがきは化粧品・医薬部外品として、ブラッシングで使ったときの「歯を白くする」などの効能が認められています。歯科医院のホワイトニングは、歯科医師が歯の状態を確かめたうえで、過酸化物を含む薬剤で漂白する歯科医療です。

どちらがよいかは、資料からは決められません。気になっているのが着色なのか歯そのものの色なのか、むし歯や詰め物がないかを確かめるところから始めると、選びやすくなります。歯の色だけでなく、口元全体の清潔感もあわせて確認しておくと、全体の印象を整理しやすくなります。

出典

厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日、薬食発0721第1号) 公式ページ

厚生労働省医薬食品局長通知「薬用歯みがき類製造販売承認基準について」(平成27年3月25日、薬食発0325第37号) PDF

厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知「歯科用漂白材等審査ガイドラインについて」(令和5年4月21日、薬生機審発0421第1号) 公式ページ

PMDA 添付文書(医薬品含有歯科用歯面清掃補助材) PDF

PMDA 添付文書(歯科用漂白材) PDF

日本歯科審美学会「歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針」 PDF

厚生労働省 iiha コラム「歯を白くしたい!ホワイトニングにも歯科健診は大切」 公式ページ

Soeteman GD, et al. Whitening dentifrice and tooth surface discoloration: a systematic review and meta-analysis. Int J Dent Hyg. 2018;16(1):24-35. PubMed

国民生活センター「「セルフエステ」の契約トラブルに注意!-特に「セルフホワイトニング」に関する相談が増えています-」(2024年7月31日) 公式ページ

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