肌・老け見え

手荒れが気になる男性のハンドクリームはどう選ぶ?化粧品・医薬部外品・医薬品の違いと確認ポイント

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手肌の状態を確認する40代男性

空気が乾く季節になると、指先のかさつきや、関節まわりの白い粉ふきが気になることがあります。ドラッグストアに行けばハンドクリームはいくらでも並んでいますが、「薬用」と書かれたもの、医薬品の棚にあるもの、普通の化粧品と、見た目だけでは違いが分かりにくいはずです。

この記事では、商品の名前ではなく、まずパッケージに書かれている区分から整理します。どの商品がいちばんよいかを決める記事ではありません。効き目の強さを比べた資料も、今回は確認していません。

顔や体を含めた肌の悩み全体は、40代男性の肌は何から整える?で分けて考えています。

手荒れにハンドクリームを選ぶとき、まず何を見る?

最初に見たいのは、商品が化粧品なのか、医薬部外品なのか、一般用医薬品なのかです。区分によって、パッケージに書ける効能の範囲も、使う前に読むものも変わります。

選ぶときの順番は、次のように考えると整理しやすくなります。

  1. 商品の区分を見る
  2. その区分で表示されている効能を見る
  3. いまの手の状態を確かめる(傷やひび割れ、ただれ、赤い腫れがあるか)
  4. 一般用医薬品なら、添付文書の「使用しない」「相談すること」を読む
  5. セルフケアだけでは判断しにくい状態なら、医療機関への相談を考える
化粧品医薬部外品(薬用)一般用医薬品
制度上の位置づけ皮膚を健やかに保つことなどが目的。作用は緩和作用は緩和病気の治療や予防などが目的。第1類〜第3類に区分
表示される効能の例「肌荒れを防ぐ」「皮膚の乾燥を防ぐ」など「肌あれ。あれ性。」「ひび・あかぎれを防ぐ」など「手指のあれ」「手足のひび・あかぎれ」など(製品による)
商品を見るときの確認点表示されている効能「医薬部外品」の表示と効能第何類か、効能・効果
使用前に見るもの表示されている使用上の注意表示されている使用上の注意添付文書の「使用しない人・部位」「相談すること」
手の状態による注意表示の注意を確かめる表示の注意を確かめる製品により、傷・ひび割れ・ただれなどに使えないものがある

化粧品・医薬部外品・医薬品は何が違う?

区分は、医薬品医療機器等法という法律で決まっています。

化粧品は、皮膚や毛髪を健やかに保つことなどを目的にしたもので、人体に対する作用が緩和なものと定められています。医薬部外品も、同じく作用が緩和なものです。医薬品は、病気の診断や治療、予防などを目的にしたものです。

一般用医薬品は、さらに第1類・第2類・第3類に分かれます。この区分は、副作用などによる健康被害のおそれの程度にもとづくもので、効き目の強さの順番ではありません。

化粧品のハンドクリームに書ける効能

化粧品に表示できる効能の範囲は、厚生労働省の通知で決められています。皮膚に関係するものには、たとえば次のような項目があります。

  • 肌を整える
  • 皮膚をすこやかに保つ
  • 肌荒れを防ぐ
  • 皮膚にうるおいを与える
  • 皮膚の水分、油分を補い保つ
  • 皮膚を保護する
  • 皮膚の乾燥を防ぐ

手だけを対象にした項目はありません。いずれも、皮膚を保つ、守るといった表現になっています。

薬用ハンドクリーム(医薬部外品)は何が違う?

「薬用」と書かれた商品でも、区分はパッケージの表示で確かめてください。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)が示している申請書の作成例では、クリームやハンドクリームなどの薬用化粧品の効能として、「肌あれ。あれ性。」「あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。」「皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。」などが挙げられています。同じ資料には、化粧品の効能の範囲だけを表示するものは医薬部外品としては認められない、とも書かれています。

「ひび・あかぎれ」は「防ぐ」という表現で、治すとは書かれていません。「薬用」という言葉だけで、荒れた手が治る商品だと受け取らないほうがよいでしょう。

医薬品の保湿剤は、添付文書のどこを読む?

医薬品の棚に並ぶ保湿用のクリームには、ヘパリン類似物質や尿素を配合したものがあります。一般用医薬品には添付文書があり、PMDAのサイトでも読むことができます。

読む場所は主に3つです。

  • 効能・効果:何に使う薬として承認されているか
  • してはいけないこと:使用しない人や部位
  • 相談すること:使う前に相談する人、使った後に出た症状、使っても良くならないとき

今回確認した2製品の添付文書では、一定期間使っても症状が良くならない場合は、使用を中止して医師、薬剤師または登録販売者に相談するよう書かれていました。期間は5〜6日、2週間くらいと製品によって異なるため、実際に使う製品の添付文書を確認してください。

ヘパリン類似物質と尿素は、使えない状態が違う

ヘパリン類似物質と尿素のどちらがよく効くかを直接比べた資料は、今回確認できませんでした。ここで比べるのは、PMDAに掲載されている製品の添付文書に書かれている内容です。

ヘパリン類似物質の製品例尿素の製品例
区分第2類医薬品第3類医薬品
効能・効果の例手指の荒れ、手足のひび・あかぎれ、乾皮症など手指のあれ、ひじ・ひざ・かかとの角化症、老人の乾皮症など
使用しない人・部位出血性血液疾患(血友病など)の人傷口、ひび割れ部位、ただれや赤く腫れている部位、顔面、目の周囲、粘膜
使う前に相談する人医師の治療を受けている人、薬でアレルギーを起こしたことがある人、湿潤やただれのひどい人医師の治療を受けている人、薬でアレルギーを起こしたことがある人

今回確認した尿素の製品例では、ひび割れや傷がある部分には使わないとされていました。指先がひび割れているときは、その製品の添付文書で使える状態かどうかを確かめる必要があります。

表は個別の製品の例で、同じ成分のすべての製品に当てはまるとは限りません。実際に使うものの添付文書を確認してください。

「手荒れ」と手湿疹は同じではない

「手荒れ」は日常の言葉で、乾燥してかさつく程度のものから、赤みやかゆみが続くものまで幅があります。

一方、手湿疹は皮膚科で扱う病気です。日本皮膚科学会などの手湿疹診療ガイドラインでは、手湿疹は刺激物質やアレルギーの原因物質が皮膚に触れて起こる湿疹で、刺激によるもの、アレルギーによるものなど、いくつかの型に分けられています。水仕事や洗剤、摩擦などが関わることもあります。

どの型なのか、何が原因なのかは、見た目だけで決められるものではありません。ガイドラインでは、問診や皮膚の状態に加えて、必要に応じてパッチテストなどの検査で判断するとされています。

ガイドラインでは保湿剤について、手湿疹に有効かどうかを確かめた十分な根拠はないものの、使うことは考えてよい、という位置づけです。また、刺激にさらされる仕事の人を対象に予防法を調べた海外のレビューでも、保湿剤などの予防効果は根拠の確実性が低く、はっきりした結論は出ていません。

保湿のためのクリームを塗ることと、手湿疹の治療とは、分けて考えておくほうが安全です。

選ぶ前に確認したい項目

  • 区分:化粧品か、医薬部外品か、一般用医薬品か
  • 表示されている効能:自分が気にしている状態と合っているか
  • いまの手の状態:傷、ひび割れ、ただれ、赤い腫れがないか
  • 添付文書(一般用医薬品の場合):使用しない人・部位、使う前に相談する人に当てはまらないか
  • 使った後の変化:今回確認した一般用医薬品の添付文書では、発疹や赤み、かゆみ、刺激感などが出たら使用を中止して相談するとされている
  • 相談事項:一般用医薬品を使う場合は、実際の製品の添付文書にある「相談すること」を確認する。今回確認した製品例では、一定期間使っても良くならない場合や、湿潤・ただれがひどい場合などに相談するよう書かれていた

よくある質問

化粧品と薬用ハンドクリームは何が違いますか?

化粧品は、皮膚を健やかに保つことなどが目的で、「肌荒れを防ぐ」「皮膚の乾燥を防ぐ」などの効能が表示できます。医薬部外品の薬用クリームでは、「肌あれ。あれ性。」「ひび・あかぎれを防ぐ」などの効能が示されています。どちらも作用が緩和なものとして法律で定められています。

医薬部外品と医薬品は、どちらがよいですか?

どちらがよいかは、区分だけでは決められません。医薬部外品は作用が緩和なもの、医薬品は病気の治療などを目的としたもので、目的が違います。医薬品を選ぶ場合は、添付文書の「使用しない人・部位」と「相談すること」を先に読んでください。

ヘパリン類似物質と尿素はどう違いますか?

効き目の強さを比べた資料は、今回確認できませんでした。今回確認した製品の添付文書では、ヘパリン類似物質の製品は出血性血液疾患の人は使用しないこと、尿素の製品は傷口やひび割れ、ただれや赤く腫れている部位には使用しないことが書かれていました。使う製品ごとに、添付文書で確かめてください。

手荒れは皮膚科に相談した方がよいですか?

今回確認した一般用医薬品の製品例では、使う前に相談が必要な状態や、使った後に症状が出た場合、一定期間使っても良くならない場合について、添付文書に記載がありました。手湿疹は原因によって型が分かれ、見た目だけでは判断しにくいとされています。皮膚科では、問診や皮膚の状態、必要に応じた検査で原因を確かめます。

まとめ

ハンドクリームを選ぶときは、商品名や口コミより先に、化粧品・医薬部外品・一般用医薬品のどれかを見ておくと迷いが減ります。区分によって表示できる効能が違い、一般用医薬品には添付文書があります。

同じ「保湿」の製品でも、傷やひび割れ、ただれがある部分には使えないものがあります。手の状態を確かめてから選び、良くならないときや使って違和感があるときは、薬剤師や医師に相談してください。

出典

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条、第36条の7 公式ページ

厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日、薬食発0721第1号) 公式ページ

医薬品医療機器総合機構 一般薬等審査部「医薬部外品製造販売承認申請モックアップ(薬用クリーム)」(令和元年7月) PDF

PMDA 一般用医薬品 添付文書(ヘパリン類似物質製剤の例) 公式ページ

PMDA 一般用医薬品 添付文書(尿素製剤の例) 公式ページ

日本皮膚科学会、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会「手湿疹診療ガイドライン」日本皮膚科学会雑誌 128(3):367-386, 2018 PDF

Bauer A, et al. Interventions for preventing occupational irritant hand dermatitis. Cochrane Database Syst Rev. 2018;4(4):CD004414. PubMed

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